夏の風物詩のひとつに線香花火があります。
派手な花火もいいですが、静かに燃える線香花火もとても人気です。
そこで今回は、線香花火について説明します。
目次
線香花火の種類
線香花火といっても、「スボ手牡丹(ぼたん)」と呼ばれるものと、「長手牡丹(ぼたん)」と呼ばれるものの2種類があります。
線香花火の種類|スボ手牡丹
スボ手牡丹の線香花火は、「スボ手牡丹」と呼ばれるワラやアシでできた柄の先端に、黒色火薬を塗ったものです。
「スボ」は、ワラやアシのことをいいます。
スボ手牡丹の線香花火は、西日本で一般的です。
歴史は、「スボ手牡丹」の方が「長手牡丹」より古く、公家遊びで使われていました。
また、昔は、花火を手に持たず香炉に立てて使っていたそうですが、
今ではみんな下向きに手で持ちますね。
線香花火の種類|長手牡丹
一方、長手牡丹の線香花火は、火薬を和紙で包み、よったものです。
「長手」とは、長く手でよる、という意味です。
長手牡丹の先行花火は、東日本で一般的です。
東日本では大きな河川が多く護岸が整備されていたため、ワラやアシが取りづらかったそうです。
そのため、手に入りやすかった和紙を線香花火に使用したのです。
線香花火の魅力
火花の散り方に変化がある線香花火
線香花火の魅力は、何といっても火花の散り方の変化にあります。
数十秒間という短い間に、5つの異なる表情を見せてくれますから。
線香花火が見せてくれる5つの表情は次のとおりです。
◆つぼみ
火をつけて最初の状態です。
まず、花火の先端に丸い玉ができます。
この状態を「つぼみ」といいます。
まだ、火花は出ていません。
◆牡丹(ぼたん)
そして、短い火花が出だし、重なり合う状態を「牡丹」といいます。
丸い玉が「牡丹」のようですね。
東京大学大学院の井上智博特任准教授によると、
線香花火の丸い玉から火花が出るのは、グラスに注いだシャンパンの泡から水滴が飛び上がるのと同じ原理だそうです。
◆松葉
一番激しくパチパチと花火を散らして美しいいる状態を「松葉」といいます。
広く飛び散る様が「松葉」に似ているからですね。
◆柳
少し勢いが落ち着いて、柳の枝のようにしなだれ下に伸びる状態を「柳」といいます。
◆散り菊
最後は、菊の花のように、細い火花が線状に伸びて消えそうになってきます。
この状態を「散り菊」といいます。
菊の花びらが咲いては散って、咲いては散ってに似ています。
みんなが集まってやる線香花火
花火といえば、火が危険なので、一人一人が距離をおいてバラバラにやります。
それに対して線香花火は、みんなが近づいて寄り添ってできます。
バラバラよりも一緒に線香花火を囲む方が楽しいですよね。
線香花火を長持ちさせる方法
線香花火を長持ちさせる方法には、次のものがあります。
線香花火を長持ちさせる工夫1|紙をねじる
線香花火を長持ちさせる最初の工夫は、火をつける前に紙をねじることです。
線香花火の火薬がつまっている部分の上部を、もう一度よる(ねじる)のです。
紙をもう一度よる(ねじる)ことによって、強度が増します。
強度が増すと、玉を支えやすくなって、その結果、火が長持ちします。
線香花火を長持ちさせる工夫2|火のつけ方
もうひとつの線香花火を長持ちさせる工夫は、火のつけ方にあります。
火に対して、45度の角度で火をつけるのです。
そうすることで、一気に火薬が燃えないようにでき、長持ちさせることができます。
線香花火を長持ちさせる工夫3|斜めにもつ
火をつけた後も、地面に対して90度でもつのではなく、斜めにすると長持ちするようです。
スボ手牡丹の場合は、上斜め45度に向けて持っていると、火玉が落ちにくくて長持ちします。
長手牡丹の場合は、下斜め45度に向けてもつと長持ちしやすいです。
線香花火を長持ちさせる工夫|国産品が長くもつ?
最近の線香花火は、中国産が多いですが、中国産の線香花火よりも国産のものの方が長持ちしやすいとも言われていますが、それはどうでしょうか?
じつは、国産線香花火は、平成10年に最後の業者が廃業し、一度途絶えたそうです。
でも、「国産の線香花火がなくなることは、決してあってはならないこと」との思いで復活されています。
なお、数本の線香花火をくっつけると、大きな玉になって長持ちしそうですが、
重さに耐えきれずに落ちてしまい、長持ちはしないようです。
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まとめ
今回は、線香花火について説明しました。
線香花火をする際には、今回の記事を参考にして少しでも長く花火を楽しんでください。
これらの工夫で、およそ1.5倍線香花火が長持ちするようです。
線香花火の種類も知っておくといいですね。